試乗日時は3月29日(土)の8時30分〜15時30分。終日快晴でした。
試乗コースはローズとグリーン(一部ゴールドとバイオレットも使用)で、朝一番はきれいに整備され、硬くしまった雪でしたが、時間と共に気温が上がり、午後になると荒れが目立つようになりました。
OGASAKA TC-SZ+RC600FL
L165/R12.8/117-67-104
『技術選小回り』というラベルが貼ってあるため、一瞬怯みますが、頑張れば私程度でも何とか乗ることができます(^^;
当然のことながら小回りは素晴らしいです。朝イチの硬い斜面で、中速(私にとっては充分に高速ですが....)の小回りで滑ってみましたが、返った板がすっぽ抜けることなく、大変コントロールしやすいです。
中〜大回りでも、トップからグイグイと内に入ってくることはありません。エッジホールドはしっかりしていますが、決して強すぎるとは感じませんでした。
低速でズレを意識して滑ったときに、やや板の張りを感じますが、慣れれば問題ない範囲でしょう。
強さとしなやかさを兼ね備えたスキーで、一見難しさを感じないかもしれませんが、板をしっかりとたわませないと失敗することがありますので、注意が必要です。
このスキーは、15時過ぎにもう一度試してみました。
雪が緩み、荒れた斜面でしたが、安定性は素晴らしく、スピードに乗った中〜大回りでも全く不安は感じません。小回りでは、急激な荷重やエッジングを行うと、やや強い反応が返ってきます。
小回りでも大回りでも、スキーは軽くしない方がいいようです。
BLiZZARD RACING SRC TITANIUM
L165/R13.0/121-70-106
小回りでの切り換えは、非常にスムーズです。切り換え後の雪面の捉えはマイルドですが、その後のエッジホールドは決して弱くありません。ただコントロールはしやすいので、難しさは感じません。
大回りで滑っても、トップから内に入りたがるスキーではありませんから、基本的に問題はないのですが、常にスキーを軽くしないように心掛けた方がいいと思います。
低速では、やや強さが出てきます。スキーを動かそうとすると、動きに重さを感じますが、このスキーの性格を考えれば、やむを得ないでしょうし、特に不自由するほどでもありません。
全体的には、スキーに荷重をしていれば素直に動いてくれますし、エッジホールドも強すぎませんので、扱いやすいと思います。
STÖCKLI LASER CX
L170/R14.1/122-68-100
小回りベースのオールラウンドモデルで、大変しっとりとした乗り味です。
小回りベースとは言え、大回りでも全く問題はありません。板の柔らかさを感じますが、エッジホールドはしっかりしていますので、安心できます。エッジングの調整も容易です。
小回りでは、切り換えのしやすさが印象的でした。オートマチック感には乏しいものの、舵取りではスキーを動かした分だけ素直に回ってくれます。
走りは普通ですが、特に不満は感じませんでした。フレックスは柔らかいのですが、硬い斜面にも負けません。きれいにたわませることができ、それを感じ取りやすいので、どのような状況でも失敗が少ないスキーだと思います。
STÖCKLI LASER AX
L175/R15.8/123-78-110
大回りは非常に良いと感じました。ロッカーだけにターンインはスムーズです。谷回りでの捉えが強すぎず、調整がしやすいです。走りもまずまず。
小回りの切り換えで、ややもっさり感があるのは、直前にCXを試したからでしょうか。谷回りでは思ったよりテールが回ってきませんので、自分で動かす必要がありました。そのときも、やや鈍さを感じます。
ATOMIC BLUESTER Ti ARC
L164/R13.6/123.5-76-103.5
大回りでのターンインは楽です。操作性も悪くはないのですが、安定性はイマイチでした。トップが雪面をしっかりと押さえつけていないような感覚です。
小回りで普通に滑ったときは、テールがやや食い気味に感じました。ターン後半に荷重ポイントをややテール寄りにすると、抜けが良くなるような気がします。
FISCHER RC4 SUPERIOR PRO
L165/R14.0/122-72-104
斜面は荒れが目立つようになってきましたが、大回りで滑っても素晴らしく安定しており、操作性も非常に良いと感じました。エッジホールドは極端に強い訳ではありませんが、エッジが食い付いて、スキーが外に動かなくなることがありませんし、調整も容易です。
雪が柔らかくなってきたこともあり、小回りではやや鈍さを感じました。ターン後半の抜けもいまひとつでしたが、荷重ポイントを変えることで、ある程度は対応できると思います。
K2 CHARGER
L172/R16.0/122-74-106
今シーズンまでは見た目で損をしているところもあったと思いますが、来シーズンからは白をベースにした軽やかなイメージに変身します。
スキーの性能は、相変わらず素晴らしいの一言。直前のFISCHERも良かったのですが、荒れた斜面の大回りでの安定性は特筆すべきものがあります。そして、とにかく良く走ります。
小回りでもきれいに回ってくれますし、板が抜け渋ることもありません。悪雪に詰まることを警戒して、おっかなびっくり滑ってると、スキーに置いて行かれそう(^^;
滑り手の操作に俊敏に反応してくれるため、乗っていて気持ちいいです。
今シーズンまでのCHARGERは、やや重さを感じる(重量も、操作性も、....見た目も、)ことがありましたが、来シーズンのモデルは軽快さすら感じます。
操作性が良く、安定していて、走る。悪いところは見当たらないのですが....、しっとり感を求める方にはどうでしょうか。もうこうなると、性能の話じゃなくて、相性みたいのものかもしれません。
ELAN SLX FUSION
L165/R12.5/123-69-107
AMPHIBIOのスキーっていうのは、極端なことを言えば、板が勝手に回ってくれるような印象だったのですが、こいつは違いました。
メタルが2枚入っていることもあるのでしょうが、しっかりと荷重してやらないと、イメージ通りのターンになりません。いい加減な操作で小回りをすると、内スキーが真っ直ぐ走り、両スキーが交差しそうになります。大回りでも安定性はイマイチ。そして走らない。
昨年試乗したSL FUSIONと比べて、印象が違い過ぎます。恐らくは、スキーの性能ではなく、この時点の滑り手の性能に問題があったのでしょう。
お互いの名誉(?)のためにも、機会があれば、もう一度試してみたいと思います。
来シーズンは、小回りベースのオールラウンドモデルを狙っています。
現時点での候補は、OGASAKA TC-SZとSTÖCKLI LASER CX。K2のCHARGERもすごくいいんですが、数日間楽しむならともかく、1シーズン乗り続けるのはちょっと違う気が....。
今週末の菅平の試乗会で、もうひと悩みしてきます(^^;