レーシング系のショップ主催ですから、並んでいるのはほとんどがレーシングモデル。しかし数は少ないものの、上級モデルを中心にオールラウンドモデルもあります。しかもレーサーには人気がないので、他の試乗会ではなかなか順番が回ってこないモデルも、乗り放題(^^v

天候は晴れ。雪は硬く締まっています。気温が低いため、最後までグサ雪にはなりませんでした。ステージ2はポールを張っていたため、その脇のコースは午後にはかなり荒れましたが、ステージ3は終日良い状態で試乗ができました。
STÖCKLI LASER SC
L170/R14.9/122-72-103

私が今使用しているモデルが、2年ぶりにモデルチェンジしました。
トップがややロッカーになっているとのこと。『ほんのちょっとですよ。』ということで、“ソフトロッカー”と呼んでました。
またテールの黒い部分は、芯材を抜いてラバーで固めてあるそうです。テールを柔らかくして、スキーの抜けを良くするのが狙いだとか....。
朝イチの斜面はきれいに整備されていますが、かなり硬いです。このような状況で大回りを行うと、テールの柔らかさからか、ややバタつきます。センターのエッジホールドは良いのですが、トップとテールにやや弱さを感じるため、全体のバランスが悪い印象を受けました。もっと柔らかい雪であれば、印象が変わるかもしれません。
操作性は良く、特に小回りは大変にやりやすいです。もちろん中〜大回りもいいのですが、安定性がやや残念です。
ATOMIC BLUESTER AC
L164/R16.6/112-70-96

他の試乗会では、ATOMICは大人気。なかなか目的のモデルの試乗ができません。でもここなら大丈夫(^^
今シーズンから継続されるAXは、たまたま出払っていました。こいつは来シーズンからの新しいモデルで、AXよりもやや柔らかめだとか。ロッカースキーですから、164cmでは短かいかと思いましたが、ハイスピードの大回りでもしない限り、私の体格(163cm、63kg)であれば問題ありません。ASAMAの狭い斜面では、そこそこに飛ばしても、安定性が大変良いため、164cmという短さを感じません。
大回りから小回りまで何でもこなせて、操作性も大変良いです。スキーの位置づけとしてはミドルターンモデルだそうですが、小回りに好印象を持ちました。
エッジホールドはしっかりしていますが、ターンの中でもスキーを動かしやすいので、ターン弧の調整は自在です。
立っていても、滑っていても、自分の脚の一部のように感じるスキーでした。
FISCHER RC4 SUPERIOR PRO RACETRACK
L170/R15/122-72-104

FISCHERに行くと、並んでいるのはレーシングモデルばかり。
「オールラウンドモデルは無いんですか?」
『ありますよ。』
スキーバンドで束ねたまま、スタッフの荷物と一緒に転がってます。今回、オールラウンドモデルはやる気がないようです(^^;
『長さはどうします?65と70。』
「あ、70で。」
昨年の丸沼での試乗会で、その乗りやすさに感心したスキーですが、カラーリングが変わってました。
「今シーズンモデルと変わってるんですか?」
『少しだけ硬くなりました。』
「キャンバー?」
『そ。』
大変素直なスキーで、大回りから小回りまで、何でもOK。ターン弧の調整は用意で、安定性もまずまずです。スキーの返りはやや強いですが、手に負えないほどではありません。
切り換え後、谷回りで雪を捉えてから、スキーがやや早く下を向きたがるような印象を受けました。
試乗を終え、返却。
「ありがとうございました。」
『お疲れ様でした。』
板はふたたびバックヤードへ。オールラウンドモデル、やる気なし(^^;;
VÖLKL PLATINUM SW
L166/R15.0/122-74-104

来シーズンにモデルチェンジする小回り系のオールラウンドモデルで、トップとテールがロッカーになっています。
やや荒れ始めたステージ2を滑ってみましたが、特に何の操作をする訳でもないのに、きれいに丸いターン弧を描いてくれます。ちょっと不思議な感覚でした。
このサイズだと中〜小回り向きでしょうか。大回りの性能も求めるのなら、少なくとももうワンサイズ長い方が良さそうです。
決して悪くはないのですが、すべてにおいてホドホドという印象で、満足感はありませんでした。
SALOMON X-RACE+RACE PLATE XX
L165/R12.6/120.2-70.2-104.2

最近やっとSALOMONの食わず嫌いが直ってきました(^^
こいつはRACEと名が付いているものの、オールラウンドに使えるとのことです。
午後になって、ステージ2の荒れはだんだん大きくなっていましたが、安定したターンが可能です。スペック上のラディウスは小さいのですが、意外に大〜中回りもいけますし、安定性もまずまずです。小回りでは、さすがに素晴らしい性能を発揮しました。
足許にしっかり感はあるのですが、スキーを動かしやすいため、操作性が非常に良いスキーです。
ELAN SL FUSION
L165/R12.5/123-69-107

2年前に出たAMPHIBIOは、大変滑りやすいスキーなのですが、如何せん刺激がない(^^;
来シーズンモデルよりSLモデルもAMPHIBIOになるとのことでしたので、試してみました。
「SLのAMPHIBIOになったやつって、あります?」
『これと、これ。』
「違いは?」
『メタルが2枚と1枚。』
「あ、1枚の方で。」(^^
第一印象は、操作性が非常に軽いということ。
直前に乗ったSALOMON X-RACEと同様、小回りは当然素晴らしく良く、また中〜大もそこそこいけます。違いは、SALOMONの足許のしっかり感に対して、ELANのしなやかさ、といったところでしょうか。
板の返りも強すぎませんので、扱いやすいと思います。深回りの小回りでも、板が身体の下にきれいに戻ってくれます。
脚力もそれほど必要ではありませんので、今シーズンまでのAMPHIBIOに物足りなさを感じていた方は、試してみてはいかがでしょうか。
ATOMIC BLUESTER AX
L169/R17.2/113.5-70-97

昨シーズン大幅に変わり、ASAMAの試乗会で前モデルとの違いに驚いたスキーです。来シーズンのモデルは、今シーズンと大きな変更はないとのこと。
張りの強さは感じますが、操作性が良いので、一見難しさは感じません。しかし、板をしっかりとたわませる必要がありますので、油断できないスキーです。
大回りでスピードを出したときの安定感は、さすがに素晴らしいものがあります。良く走るスキーですから、置いていかれないように注意をすれば、小回りも問題ありません。
AXだけを試していれば、これを選ぶことに躊躇はないかもしれませんが、ACに乗ってみると、一般のゲレンデではACの方が扱いやすいと感じますし、不満を感じることも少ないと思います。
車山の青い悪魔と戦う方はAX、フツーの方はAC、といったところでしょうか。
ROSSIGNOL Demo α
L166/R13.0/122-68-104

最近のロシの手強さは、仲間のスキー廃人から聞いていたのですが、怖い物見たさでのぞいてみました(^^;
『基本的にはすべて小回りモデルですが、長さの選択でターン弧に対応します。』
と言って勧められたのが、これ。
『今年の技術選で、短いスキーを使ったフリー種目があったんですが、ウチの選手が使ってたのがこのスキーです。』
この時点で手に(脚に?)負えないのは明らかですが、まぁせっかくですから試してみることに(^^;
滑り出すと、足許がしっかりと固められているような感覚です。
中〜大回りについては、スキーが内に入りたがらないため、問題ありません。エッジホールドが強く、安定性も素晴らしいです。
小回りでは、張りがあってエッジホールドが強いので、油断をすると真っ直ぐ走っていっちゃいます。特に荒れた斜面では気を遣いました。
STÖCKLI LASER AR
L175/R15.8/123-78-110

最初に試したSCと比べ、柔らかく、やや太めのスキーです。
時間が少なかったので、じっくりと試すことはできませんでしたが、大回りに関してはまずまずだと思います。小回りでは、やや鈍さを感じました。もう少し軽快感が欲しいところですが、これは無い物ねだりでしょうか。
スキーそのもののバランスとしては、SCよりも良いと感じました。しかし、荒れた斜面では、もう少ししっかりと雪を受け止めてもらいたいです。やや弱いかなぁ。
今回は、期待していたSTÖCKLIはイマイチでしたが、ATOMICのACの扱いやすさには脱帽でした。また全く性格は違うのですが、SALOMONのX-RACEとAMPHIBIOになったELANのSLも、捨てがたいものがあります。
それぞれのスキーの個性が感じられた、楽しい試乗会でした。
一本目のSTÖCKLIの試乗時に、写真を撮り忘れました。
で、ATOMICの試乗後に、写真撮影だけお願いしたところ、快諾。スタッフのおにーちゃんが板を空き地に持って行き、雪に刺してくれました。
『ジャーナルやグラフィックみたいにいきましょうか。』

なるほど。これもいいですね(^^
しかし試乗のたびに、こうやって写真撮るのは、ちと無理だわなぁ(^^;
あ、OGASAKAもいいですよ(^^v
的確で、スキーに対する造詣が深く、今年モデルのレポートも見させてもらいました。
私しばらくぶりにスキーに目覚め、試乗会に参加して、アトミックac169に乗り衝撃を受けました
踏んだらスーと戻ってくるなんとも言えない感覚
足元のエッジグリップ、前後が感じられないぐらいです。
購入を考えていますが、164/169か迷っています
私58歳168/72です足前昔の一級モドキ
中回りが主で小回り苦手、ブーツはxmax100を予約してます
ご意見があればお聞きしたいと、思います。
実際に滑りを拝見しておりませんので、以下は一般的なお話になってしまいますが、ご容赦ください。
ロッカー形状のスキーは、実際の長さより5〜10cm短く感じることが多いようです。私もロッカースキーであれば、170cmを超えてもまず長いとは感じませんが、165cm程度を試乗すると寸足らずという印象を受けることもあります。しかしATOMICのBLUESTER ACでは、164cmでも短さは感じませんでした。
169cmのACを様々なターン弧やスピードで試乗されて、操作性に難しさを感じず、気に入ったのであれば、それが一番でしょう。身長・体重から考えても問題ないと思います。
ただ、やや気になるのが小回りが苦手ということ。ロッカースキーは、ターンインは容易ですが、ターン中はスキーをたわませることが必要です。小回りの場合、この操作を短い時間でタイミング良く行わなくてはいけませんが、苦手な場合、たわみをつくることが不十分で、スキーが真っ直ぐ走ってしまったり、テールを振ってターンに入る方も見受けられます。169cmで小回りを行ったときに長さや難しさを感じなかったのであれば、大丈夫だとは思いますが。
また、試乗時の雪質はいかがでしたか。最近のスキーはどれも、良い雪質では大変滑りやすく感じます。私が良い条件で試乗している時に考えるのは、「もっと硬い斜面だったらどうだろう。」「荒れたらどうなるだろう。」ということです。良い雪質で「これなら何とか乗れるかな。」というレベルだと、悪い条件になったとき、苦労することになりかねません。試乗時の印象で判断される場合は、この点も加味されると良いでしょう。
主に大〜中回りでスピードに乗った滑りを望まれるのであれば、169cmでよろしいかと思います。特に荒れた斜面では、5cmでも長い方が安心感があります。
もし小回りに不安があったり、コブ等の不整地での取り回しの良さを重視するのであれば、164cmも検討の余地があると思います。
しかし最終的には、ご自身が『楽しい』と感じるスキーを選ばれることをお勧めいたします。
準指検定を受けたり、ポールの中で0.1秒でも速いタイムを求めたりする場合は別ですが、スキーは楽しいのが一番。滑っていて笑いが出ちゃうような板を選んでください!
以上、ご参考になれば幸いです。
板のBLUESTER/ac/164乗りたく別の試乗会に参加しましたが、ありませんでした。
他の板に乗った感想(雪が緩んだ状態)
Atomlc
sx/165/普通に乗れるが板の性能を引き出せない
sc/165回り易いが感動無し
Volkl
cd/171足元の幅広過ぎ鈍重
Sw/164クルクル気持ち悪い位まわる安定しない
K2
チャジャー/鉄板に乗ってるみたい前が長い
Salomon
24h/履いてリフトに行くまでにしなやかさが感じられる調子のって横からでてきた人をかわして転倒
雪が緩んだ状態であまりよく解りません勝手な感想でした。やはり前回のacの様な感動は無し。
小回りが苦手の人は、BLUESTER/scを選んではいけないのか?
板選び、難しい。誰かに背中を押して欲しいのか、でもこの悩んでいるこの時が楽しい。
中毒者さんの文面をもう一度読み返し悩んでみます。