当日の天候は晴れで、午前中は冷え込んでいましたが、午後は暖かくkなりました。
試用したコースはファミリーのイーストとウェスト、そして裏太郎です。
ファミリーは昼前から荒れ始め、午後になるとイーストは、中央に小回りロード、その両側に押し退けられた雪が溜まるという、いつもの状況になりました。
裏太郎はプライズ検定でリフト側1/3が規制されており、中間部までの中央1/3は硬い下地が露出、林側1/3は表面の柔らかい雪が浅いコブ上に溜まった荒地でしたが、下部は終日締まった雪の整地でした。
STOCKLI MONTERO AS
L172 / R14.8 /107-76-127

センター幅は広めですが、それを感じさせません。
板の反発を利用して次のターンに入るようなタイプではありませんが、回頭性がいいのでショートターンも楽です。
エッジを緩めてスキーを動かすと、意図した分だけズレてくれます。
食わせればしっかりグリップしますが、ガッチリ食いつくというより、ややズレながら雪面を捉える感覚がありました。
ターンインでのトップの捉えはやや甘め。
全体的にいい意味でのルーズさを感じました。
午後、雪面が荒れ始めた状態で再度乗ってみましたが、グサ雪での突破力がありますし、硬い下地がでたところでも意外にグリップします。
オールラウンド性が高いスキーで、春雪のゲレンデで使うと楽しそうです。
STOCKLIではLASERシリーズばかりが注目されますが、MONTEROもSTORMRIDERも価格以外はメッチャいいいただと思います。
試乗を終えてスタッフに
「大回りでの走りはイマイチだね」
と言ったところ
『そういう板じゃない』
と返されました。
ごもっとも。
STOCKLI LASER MX
L158 / R13.2 / 101-71-119

第一印象は、軽い、柔らかい。
ターン前半からグリップを意識してロングで滑ると、やや内に入り気味です。
ショートでは、切り替えでポジションを戻すと、穏やかな返りで板が身体の下に戻ってきます。
ポジションさえ気を付ければ、失敗は少ないでしょう。
角を立てると予想以上にしっかりグリップしますが、朝イチの勘違いバーンを除きそういう滑りをする板じゃないと思います。
脚力不要で素直に動いてくれますから、レベル不問で女性やシニア向きですし、見栄を張らない上級者にもオススメできます。
STOCKLI LASR CX
L163 / R12.8 / 101-69-122

ほぼショート専用です。
軽快です。
軽快すぎて、ショートの切り替えで荷重を抜いてしまうと、板が身体の下を通り越しちゃいます。
それさえ気をつければショートは軽快、快適♪
ただロングだと板が内に内に入ってくるので厳しいです。
ズラすことは容易ですし、操作性も悪くありませんが、ある程度スピードが出ると食わせ気味の方が安定します。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 XC
L176 / R16 /121-71-106

かなりしっかりグリップする板。
エッジを食わせて板を走らせると気持ちいいです。
しかしズラそうとすると、トップとテールが引っ掛かり気味で気を遣います。
磨かれ気味の裏太郎急斜面でも安心感はありますが、ショートは引っ掛かって回しづらく感じました。
ロングになると印象が変わり、安定性、操作性とも申し分ありません。
BLOSSOMの板はチューンナップで性格がかなり変わる傾向にありますが、今回の試乗板は全体的にグリップ系に仕上げているのかもしれません。
昨年の試乗では好印象だったこともありますが、私ならチューンナップでもう少しマイルドにしたいです。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 SL
L165 / R13.5 / 123-67-104

これもグリップさせる板
ショートでは、エッジを緩めて自分で板を動かしても、板が十分に返ってきません。
意識的に内傾角を作ってしっかりグリップさせると、撓んだ返りで足元に戻り、走ります。
ただそれなりの脚力は必要。
軽い滑走感ではありませんが、安定性は素晴らしいです。
ターン弧を大きくしていくと、ややテール側が食い気味に感じました。
大回ろうとしても中気味になってしまいます。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 RC
L170 / R14 / 121-71-106

それだけにXCやSLのような強烈なグリップ感はありませんが、裏太郎の硬い急斜面でも全く問題ありません。
どんなターン弧でも操作性は抜群で、動かした分だけ動き、踏んだ分だけ返る、非常に扱いやすい板と感じます。
走りはそれほどでもありませんが、それを求める方はRCなんて選んじゃいけません。
挙動がわかりやすいので失敗が少ないと思います。
BLUEMORIS S POTION
L165 / R12.5 /119-65-102

荒れ始めたファミリーイーストは、モサモサの雪と硬い下地が混在しています。
まずはショートターン。
踏み込むときれいに撓んでくれます。
張りの強さは感じませんが、適度なグリップで、荒れを乗り越えるときも安定していました。
ターンの印象としては、どちらかと言うとテールが食ってインに入ってくる感じでしょうか。
グリップが強すぎないので操作しやすく、スキーを外に動かしても引っ掛かからずに素直にズレてくれます。
かといって、硬い雪でも流れて落とされることはありません。
ロングは可もなく不可もなく、と言うか裏太郎でスピードを出すとちょっと厳しいですね。
しかしこの板にロングを求めるのは無いものねだりでしょう。
BLUEMORIS M POTION
L168 / R16.0 / 115-70-99

中回り板にありがちなもっさり感はありません。
働きかけに対する反応が良く、きっちり足元に返ってくるので、次のターンに入りやすいと感じました。
そのためショートでもターンインが楽。
トップから内に切れ込んでくるようなターンにはなりませんが、それさえ求めなければショートも問題ありません。
裏太郎の硬い下地が出たところでも、トップからテール全体で均等にグリップするので、単にズレて落とされるのではなく、雪面を削りながらターンをコントロールする感覚があります。
S POTIONでは厳しかったロングも、かなりいいです。
オートマチック感はありませんが、オールラウンド性が高く、相当気に入りました。
BLOSSOM FORMULA XPLORE 87
L174 / R? / 123-87-110

ファミリーイーストはそこそこ荒れてます。
慎重にスピードを抑えた小回りで、と思いましたが板が挙動不審。
不安定と言うより、トップがうまく回頭してくれない感じです。
ターン弧を少し大きくしましたが、やっぱりトップが落ち着きません。
裏太郎もそこそこ荒れてます。
ある程度スピードを出した大回りだといいのですが、やっぱり低速でズレを多用した小回りはやりにくいです。
撓ませないとトップがグリップしないのかな。
ちょっと捉えどころのない板でした。