毎年恒例の技術選観戦です。
3月とは言え、5日間の期間中は毎年数日は天気が崩れます。
今年も予選の2日間は真冬のような天気だったとか。
木曜日になれば少しは落ち着くかと思ったのですが、オリンピック道路で小川村に入った頃に雪が舞い始め、白馬村の道路は圧雪路。とても3月とは思えない光景です。
9時に現着し、お宿のおじいちゃん、おばあちゃんに、お茶と林檎をご馳走になりながら、ストーブの前でしばしおしゃべり。
その後、部屋で着替えて10時に出撃しました。
スクールでスタートリストを貰いましたが、競技のコート変更もあるようで、どういう状況なんだかよくわかりません。
とりあえずウスバまで上がると、女子のフリーが行われていました。
湿雪が降り続き、コースコンディションはイマイチ。中間から下はスキーが走らず、どの選手も苦労していたようです。
女子フリー終了後は、中カベに移動。こちらではソデグロから変更された、小回りが行われています。斜面設定は一応ナチュラルということなんですが....、完全なる不整地でした。
注目の皆川賢太郎選手は、最初は調子良かったのですが、中間でバランスを崩して失敗。丸山貴雄選手は観客から溜息が出る素晴らしい滑りです。渡部浩司選手もさすがコブの名手という滑りを見せてくれました。
いやー、しかし寒い、寒い(>_<)
男子3班の山田卓也選手の滑りを見たところで、寒さに耐えかねレストランに退避。
生き返りました(^^)
ランチ後は、ウサギ平からウスバに変更された大回りで、この日の種目は終了です。
しかし寒さのため、とてもじゃないけど、その後フリーで滑る気にもならず、そのまま撤収。
乗車したリフトは3本でした(^^;
翌土曜日。雪は止みました。
決勝1日目の最初の種目はウサギ平の小回り。この日から各種目は同時進行ではありませんので、落ち着いて観戦できます。
好調柏木義之選手が観客を沸かせる滑りを見せると、ゴールドビブ井山敬介選手も同ポイント。しかし丸山選手が圧巻の滑りでふたりを1ポイント上回ります。
次の種目が始まるまで、ちょい時間がありましたので、黒菱を一本。コブというより、重い新雪が滑り荒らされた不整地でした。
続くソデグロの大回り。やや幅の狭い荒れた急斜面を、各選手とも4ターン前後でゴールするという信じられない滑りを見せてくれます。
女子ではこのあたりから、ゴールドビブ佐藤麻子選手が他の選手を圧倒し始めます。金子あゆみ選手にいつものような爆発的な滑りが見られなかったことが、ちょっと残念でした。
男子は、トップ丸山選手の得点が伸び悩みましたが、柏木選手が圧巻の滑りで3ポイント差を詰め、丸山選手に並びます。
3種目目はウサギ平でフリー規制。しかしこの種目、良く考えると変な名称です。フリーなの?規制なの?って(^^;
種目としては、短いスキーでフリー滑走ということなんですが、一般の方にとっては意味不明ですね。せめて「フリー(マテリアル規制)」とか....。いや、やっぱり分からんか(^^;;
女子は、この種目も佐藤選手がトップのポイントを叩き出します。春原優衣選手も食い下がりますが、同ポイント止まり。金子選手はやっと元気な滑りを見せてくれましたが、トップとは2ポイント差で、じわじわと後退。
男子では、柏木選手が285ポイントとスーパーな滑りを見せましたが、その頃よりコートにガスがかかり始めました。そして、とうとう視界不良で一時中断。昨年の最終種目のイヤな思い出がよみがえります。
その後も何度も中断しながら競技が進みますが、スタートで待機する選手は相当キツかったと思います。そんな中でスタートした丸山選手、観客がどよめく滑りで柏木選手と同ポイント。さすがと言うしかありません。
決勝1日目が終り、女子は佐藤選手が一歩リード。男子は同ポイントで柏木選手と丸山選手がトップ、続く井山選手とは5ポイントの差がありますから、翌日は事実上このふたりの一騎打ちです。
そして最終日。晴れました。雲ひとつないピーカンです。
1種目目はウサギの整地で、規制じゃないフリー。
女子は、春原選手が高得点を出すものの、佐藤選手が格の違いを見せつけ圧倒。
男子は、ここでも柏木選手と丸山選手が一歩も引かず、同ポイント。筋書き通りと言わんばかりに、最終種目決戦に持ち込まれました。
2種目目の不整地小回りの開始は11時半とのこと。時間もあるし、ちょっと滑ろうかと、まずはリーゼンを下ります。そしてスカイラインから北尾根のコブ。国際〜パノラマを上がり、ウサギ平に戻りますが、その間に競技開始時刻は二度三度と遅くなります。
どうやら雪が柔らかすぎるということらしいのですが、詳しい状況が入らないので、観客もやや苛立ち気味です。
結局、フォアランナーのスタート前に、テストラン〜協議を行うということになり、当初の予定より遅れに遅れて競技が開始されました。
女子では、佐藤選手が貫録を見せつける滑りで他の選手を圧倒。見事に3連覇を果たします。
そして男子。と言いたいところですが、ここでまた中断。去年のように視界不良で待機を余儀なくされるのであれば分かりますが、これ以上ないという天気の良さが仇となってスタートができないとは....。
スタートが延び延びになっているうちに、とうとう雲が出始めてしまいました。しかしその結果気温が下がり、雪も少しずつ締まり始めたようです。
再びテストラン、そして協議。フォアランナーでは、現役のモーグルオリンピック代表西選手の滑りが、会場を沸かせました。
競技が始まると、バランスを崩すだけでなく、転倒する選手も続出し、コースの厳しさが分かります。
注目の最終2名。先に滑った丸山選手は、いつもの滑りから考えるとやや抑え気味とも思えます。一瞬の乱れはあったものの、信じられないくらいに安定した滑りで、得点は284ポイント。
そして柏木選手。やはり攻めません、いや、攻められる雪の状態じゃなかったのかもしれません。途中わずかにバランスを崩しましたが、こちらも完璧。得点は....、284ポイント!
予想もしなかった、ふたりの同点優勝でした。
佐藤選手、柏木選手、丸山選手。
おめでとうございます!
そして、すべての選手、スタッフ、観客の皆さん。
お疲れ様でした!!
私が応援するうちの一人が、昨年のスキー大学でお世話になった渡部浩司選手。
元気一杯の滑りが魅力なのですが、時には元気が良すぎてしまうことも....。
昨年の技術選決勝1日目のソデグロ大回りでは、ゴール直前でクルリと一回転(^^;
今年はそんな失敗もなく、順調にポイントを積み重ねていたのですが、決勝2日目のウサギのフリーで、やっぱりやっちゃいました。
ゴール前の左ターンで転倒。勢いで立ち上がったものの、次の右ターンはコース脇のスタッフを跳ね飛ばさんばかりにネットぎりぎりを通過し、何とかゴール(^^;;
この失敗が響いて、大きく順位を落としました。
しかしそれで終わる訳がありません。
最終のコブでは、優勝した柏木選手や丸山選手を遥かに凌ぐ、正に神がかりな滑りでギャラリーを魅了しました。
ポイントは何と286!
これで順位を大きく15位まで挽回しました。
決勝のリザルトを見ると、コブを失敗した青木哲也選手と大谷敏也選手の262ポイントに挟まれた286ポイントが、燦然と輝いています(^^)