当日の天候は曇りで、気温は昼間でも-7℃と冷え込みました。
斜面は硬い地肌の上に柔らかい雪がパックされた大変滑りやすいコンディションで、午後になって多少荒れたものの、アイスバーンが出てくることはありませんでした。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 RC
L164/R13.0/121-71-106
よく撓みます。
そして板のトップからテールまで全体で雪面をホールドしてくれます。
特定の場所のグリップが強いわけではありませんから、挙動のコントロールがしやすいと感じました。
特に急斜面の小回りでは、板全体で雪面を捉えながらズレてくれますから、安心感があります。
スペック上のラディウスは小さめですが、大回りでもトップが内に入り過ぎません。そしてよく走ります。
今回のチューンナップはややカービング寄りに仕上げていたように感じましたが、それがゲレンデのコンディションとドンピシャでした。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 SL
L165/R13.5/123-67-104
エッジグリップはかなりいいのですが、突然食い付いたり、外しにくかったりという戸惑いがありません。
センターに荷重すれば素直に反応してくれますし、トップを押さえれば内に切れ込み、テール寄りに荷重すると板が撓んで走ります。
急斜面でも荷重ポイントを意識することで、小回りではトップの回頭性を生かしたコントロールができますし、大回りでもターン弧に気を遣うことはありません。
STÖCKLIもそうですが、SLという名前でも純競技用ではありませんから、反応は穏やかに抑えられており、扱いやすく楽しいスキーです。
BLOSSOM NUMERO UNO N°1 XC
L170/R14.0/121-71-106
シェイプはRC、内部構造はSLだったかな。
乗ってみると安定性は抜群。
硬くはなく、撓ませやすいです。
そして滑り手の操作に素直に反応するコントロール性の良さがあります。
急斜面の小回りでは、トップから切れ込むというより、スキー全体がズレながら回ってくれる感じ。
大回りは、ギンギンのカービングではなく、適度にグリップしながら走る、しかし勝手には走っていかないという印象でした。
SLでは軽快な楽しさでしたが、こちらは重厚では決してないものの、やや落ち着いた挙動を楽しむことができました。
OGASAKAに例えるなら、RCはKeo's寄りのUNITYのような、XCはTC寄りのKeo'sのような、オールラウンドモデルだと思います。
BLOSSOM TURBO AM74
L172/R15.5/124-74-104
めっちゃ軽い操作性です。
エッジを食わせるというより、面で乗っていく感覚がありました。
安定性も悪くはありません。
急斜面の小回りでは、普通の感覚でターンに入ると雪面を捉えるタイミングがやや遅れ気味で、意図以上にズレてしまいますので、切り替え後から積極的なエッジングを心掛けた方が良いと思いました。
大回りは、意外といっては失礼ながら、思った以上に安定していました。
直前がXCだったことも影響しているでしょうが、全体的にはややフワフワした印象です(悪い意味ではありません)。
BLOSSOM TURBO AM77
L170/R14.0/131-77-111
直前のAM74より少しだけしっかり感があります。
操作性の軽さは変わりませんし、よく走ります。
小回りでのオートマチック感はありませんが、身体を落としていけば素直に回ってくれます。
大回りではやや荒れを拾い気味で、それほど大きく荒れていない裏太郎でも、飛ばすとちょっと怖かったです。
もう少し重厚さがあってもいいと思います。
BLOSSOM TURBO AM85
L172/R16.0/131-85-112
やや太めですが、普通にエッジを立てて滑っても問題ありません。
ただ小回りだと、切り替えでややもたつきを感じました。
硬い斜面ではテールが逃げ気味です。
荒れ始めた表太郎での小回りは、横方向のズレが大きいターンだと荒れに叩かれますので、大きめのスペースでトップを動かすこと意識した方が良い感覚で滑れました。
大回りでは、切り替えで雪面を捉えるタイミングが若干遅れるように感じます。
中速までなら快適です。
BLOSSOM FOMULA XPLORE85
L172/R17.0/122-85-107
BLOSSOMには珍しいキャップ構造。
滑ってみると、適度なエッジのホールド感があります。
反応が早く軽快なので、センター幅85mmを感じません。
そしてよく走ります。
急斜面の小回りでは、予想以上に素直に回ってくれます。
谷周りのタイミングから、トップからテールまで全体で雪面を捉えながらズレてくれます。
大回りもAMより安定しており、荒れた斜面でも叩かれることはありませんでした。
かなり気に入りました。
BLOSSOM FORMULA EXPLORE87
L174/R?/123-87-110
こちらはオーソドックスなサンドイッチ構造。
XPLORE85と比べると、エッジより面で捉える感覚が少し強いでしょうか。
決して鈍い板ではないのですが、85の軽快さの後ではどうしても反応の遅さを感じてしまいます。
ターン弧を問わず操作性は悪くありませんし、抜けもいいです。
ただ面白みのない普通の板とも感じてしまいます。
試乗を終えて、スタッフから声を掛けられました。
『どっちがいいですか?』
「85!」
即答でした。