4/2(土)に菅平高原スキー場で開催された、ICI石井スポーツグループさんの試乗会に参加しました。
当日の天気は晴れ。朝から気温が高かったため、雪は柔らかく、午前中の早い時間から荒れた斜面になりました。
試乗コースはファミリーゲレンデです。
STÖCKLI LASER CX
L170/R14.1/122-68-100

来シーズン、モデルチェンジされます。
私はこいつの現行モデルに乗っていますが、全体的な乗り味は変わっていません。
踏み込んだ時にきれいにたわむしなやかさは健在です。
基本的には小回りモデルですが、大〜中回りでも余程のハイスピードでない限り、雪面からの力をしっかりと受け止めてくれます。
雪面を捉える感覚は、エッジを食わせるというものではなく、ソールで捉える感じです。
現行モデルと比べると、トーションが強くなったのか、スキーを動かしたときに受ける力がやや大きめに感じますが、動かしにくさは全くありません。
小回りでは、レスポンスはいいのですが、浅回りでも深回りでも、余裕を持って操作できました。

内蔵されているメタルシートのサンプルがありました。
中央にウェーブ形状の切れ込みが入っており、トーションをコントロールしているそうです。
タートルシェルって名前らしいんですが、何がカメさんなのかは聞き逃しました(^^;
STÖCKLI LASER SX
L170/R15.0/120-70-99

適度な張りによる安定感が印象的でした。
数字上のラディウスはCXとあまり変わらないのですが、乗り味は明らかに中(〜大)回り系です。
大〜中回りでは、CX以上に力を受け止める感じがあり、ゆとりを持って滑ることができました。
小回りでの返りも悪くありませんから、板の反応に任せてもいのですが、ある程度自分で動かしてあげた方が良いと感じます。
大きめのターン弧で元気よく滑る方はSXだと思いますが、日本のゲレンデ事情を考えると、CXの方がオールラウンド性が高いのではないでしょうか。
また、今回試乗したCXとSXにはスピードプレートというしっかり目のプレートが付いていましたが、現行モデルと同様のスマートラックにも変更できるそうです。
個人的にはスピードプレートで強すぎるとは感じませんでしたが、脚力の弱い方や女性は検討の余地があるかもしれません。ちなみにスマートラックにした方が、¥20K程お安くなるそうです(^^;
にしても、バカバカしいような価格ですが....。
BLIZZARD SRC
L165/R13.0/121-70-106

湿ったかなり柔らかい雪ではありましたが、大〜中回りでは走りがいまひとつでした。
ショート系の板らしく、荷重を強めるとスッと内に入ろうとします。
小回りでは特徴らしいものはあまり感じませんでした。
荷重ポイントは基本的にセンターですが、前に乗りすぎるとテールがズレ気味に感じました。
全体的に印象が薄い板で、私には合いません。
STÖCKLI LASER AX
L167/R14.4/122-78-109

荒れはそれほどではありませんが、雪はかなり緩んできた状況で、大〜中回りではそこそこ走ってくれますし、安定性は非常に良かったです。
エッジホールドは強すぎず、ターン中、雪面から受ける力をトップからテールまで均等に受ける感覚がありました。
小回りでは、板の反応にやや鈍さを感じますので、自分から積極的に動かしてあげた方がいいでしょう。
あまり飛ばさずに、ゆったりと滑るスキーだと思います。
SALOMON X-RACE SW+Z12 speed
L165/R13.0/120-70-104

大〜中回りでは、安定しています。スキーの性能としての安定性とともに、どっしり感も感じました。
走りも悪くありません。
雪が緩んで足場が作りにくい状況でしたが、踏み込んだ時の反応はまずまずです。
小回りでも印象は同じです。
スキーが動かしやすく、浅周りから深回りまで、容易に使い分けることができました。
もう少し硬い斜面で試したみたかった1台です。
OGASAKA TC-MH+FM600
L172/R18.9/110-69-95

ターン前半の捉えはいいのですが、エッジホールドが強すぎないので、スキーを動かしやすく、操作しやすいです。
荒れ始めたグサ雪でも、板が走りますし、安定性も悪くありません。
ミドルターンモデルということもあり、板の返りはそれほど早くありません。
大〜中回りではこれがちょうどいいのですが、小回りでは操作性にやや重さを感じる方もいらっしゃると思います。
特に小さなターン弧の場合には、板の反応を待つのではなく、自分から積極的に動かしていった方がいいと感じました。
なお私が試乗した172cmにはFMプレートが、177cmにはFLプレートが、それぞれ装着されていました。
FMプレートで特に不満はありませんでしたが、FLプレートでは乗り味がどう変わるか、ちょっと興味があります。
NORDICA SENTRA SL 7 TI EVO
L160/R12.0/121-70-106

NORDICAで板を眺めていたら、スタッフに声をかけられました。
最初のオススメはDORBERMANNでしたが、先週試乗したSPITFIRE RB EVOの感想を話したところ、こいつが出てきました。
『ぜひこれにも乗ってみてください!』
「レディース?」
『レディースモデルですけど、かなりしっかり作ってあって、すごく元気な女性って感じで。』
「イケイケねーちゃん仕様か....(^^)」
滑ってみると....、軽いです!楽です!楽しいです!!
荒れた雪で安定しているスキーには、雪を蹴立てて進むような重厚さを感じるものもありますが、これはその真逆。荒れた雪面をいなすように軽々と滑っていきます。
スキーを動かしたときには、雪面からの力を受け止めるだけのしっかり感があるので、自分の操作と、それ対するスキーの挙動に、イメージのズレが小さく、大変操作しやすく感じました。
ハイスピードの大回りはどうかわかりませんが、ゲレンデでのクルージングを考えれば大〜小まで、ターン弧を選びません。
なおこのイケイケねーちゃん、特に小回りでは板が少々跳ね気味ですが、切り換え時に荷重を抜かないように滑れば、落ち着いてくれます。
Blossom Bellezza
L170/R15.5/124-77-110
3年前に初めて試したBlossomにはやや手強さを感じましたが、
昨年の試乗では意外なほど好印象。
今年も特に試乗するつもりはなかったのですが、スタッフのおっちゃんと与太話ばかりしているのもなんですから、ちょいと試してみることに(^^;
お勧めのGreat Shapeが出払っていたので、とりあえずこいつから。
意外なほど優しい乗り味です。
荒れた雪ですが、大〜中回りでは表面をなでるように滑っていく感覚でした。
それでいて安定しており、よく走ります。
小回りでは、少し積極的に板を動かしてみましたが、ターンのキレが良く、浅回りから深回りまでOKです。
これがもっと硬い斜面だったらどうなるんでしょうね。
STÖCKLI SPILIT EVO
L171/R17.0/122-79-108

センター幅が広めなので、雪がグサって斜面が荒れるまで、試乗を待った板です(^^;
まず大〜中回りで滑ってみると、荒れたグサ雪でも安定していますが、グイグイ走っていくいたではありません。
小回りではやや鈍さを感じますし、油断すると板が暴れます。
全体的に操作性は悪くないのですが、特筆すべき個性を感じることはできませんでした。
それほど荒れていない斜面を、のんびりとクルージングするスキーでしょうか。
Blossom Great Shape
L170/R14.0/121-71-106

大〜中回りでは、板の走り、安定性とも良いです。
ただ、グサ雪だからか、深回りでやや抜けの悪さも感じました。
小回りでは、適度な返りで、浅回りから深回りまでテンポよく滑れます。
板としての守備範囲は広そうです。
ELAN AMPHIBIO 80 Ti POWER SHIFT
L168/R14.9/126-80-108

アンフィビオらしく、ターンインは非常に楽です。
グサ雪の中でも、安定しており、操作性も悪くありません。
センター幅は広めですが、小回りでの切り換えにもたつきは感じませんでした。
どのターン弧でもターン後半にテールがややズレ気味でしたが、雪質の問題か、滑り手の問題かはわかりません。でも、たぶん後者かと....。
K2 COOMBA 114
L177/R23.0/140-114-118

「このコンディションで、お勧めは?」
『ん〜、そうですねぇ....。』
出てきたのはPINNACLEの95。
「あー、PINNACLE。
去年試乗させてもらったなぁ。あれってセンター幅、いくつだったんだろ?」
『あ、乗ったことある?じゃ、こいついっちゃいましょうか。」
一気に太くなりました。そしてド派手(^^;
まずは大〜中回りから滑ってみました。
角を立てるとズレます。面で抑える感じで滑らないとダメです。
ただその感覚さえわかれば、普通に滑れます。
さすがに小回りは厳しいかと思ったのですが、基本に忠実に丁寧に操作してやると....、意外や意外、小回りもOKです(^^)
K2 OOOLALUV 85 Ti
L156/R14.0/126-85-114

本日2本目のレディースモデルが登場しました(^^)
ちなみに『ウーララブ』って読むらしいです。ラベルにフリガナ振ってなきゃ、読めんわな。
短くて柔らかい板にもかかわらず、グサグサ荒れ荒れの斜面で、大回り、中回りOKです。
不思議なほど安定してますし、操作性もいいです。
小回り?もちろんバッチリです(^^v
まぁ硬い斜面を滑りたいとは思いませんけど....。
VÖLKL RTM81
L170/R16.3/128-81-109

ズラリと並ぶPLATINUMシリーズには目もくれず、太いやつを探すと、奥の方にひっそりと隠れるように置いてありました。
寄ってきたスタッフのおっちゃん
『ソールサイズは?』
「293」
まずは乗ってみろと言わんばかりに寡黙です。
手に持ったときにやや重さを感じましたが、滑っても乗り味は比較的どっしりとしています。
エッジホールドはやや強めでしょうか。
大〜中回りは、グサ雪でも、安定したキレるターンです。
とは言え、いくら柔らかい雪でも、エッジが食い過ぎたら操作しにくくなりますが、決してそのようなことはなく、スキーを動かしてターン弧を調整しやすく、操作性は良好です。
小回りも元気よくターンを刻むことができました。
このコンディションでこれだけ素晴らしいのなら、
先週の丸沼みたいに、条件のいい斜面で試してみたかったと、ちょっと残念です。
試乗を終えて戻ると、先程のおっちゃん
『どう?』
「いいねー。この雪でも安定してるし、走るし。大から小までなんでもいけるじゃん。すげーよ。」
『これね、去年のジャーナルの試乗で高評価だったんだよ。でも、試乗板が無かったんで、誰も乗ったことがないままシーズンに入っちゃって....。』
なるほど、あまり売れなかったようです。
「もっと手前に置いとけばいいじゃん。」
とは言うものの、こいつが目立つところにあったら、基礎な皆さまには邪魔にされそうです。
この扱いじゃ、来シーズンも期待薄?いや、でも売れるといいねぇ(^^;
KEI-SKI EZO 83
L170/R17.0/120-83-110

今回のメーカー配置は、受付テントの隣がKEI-SKI、そしてSTÖCKLI、Blossom。
失礼ながら、日本、スイス、イタリアのマイナーブランドが並んでます。
受付付近を混雑させない工夫かなー。それだったら上手くいってるなー。
などと、ホントに失礼なことを考えつつ、最後はこれ。
どのターン弧でも、非常に軽快です。
フレックスは柔らかめに感じますが、安定性も悪くありません。
特にトップが強いとか、テールが強いとかいうことはなく、雪面から返る力をソール全体で受け止めて撓んでくれるため、板の挙動も分かりやすいです。
疲れない板っていう評価は....、やっぱり失礼なんだろうか(^^;