この講習会は、各クラブの安全管理者が、スキーに関する怪我や事故、用具等について研修し、クラブ内外での活動に役立てるよう行われるものです。
私のような危険人物でも、所属クラブでは「安全対策担当」。講習会には最低3年に1回の参加が義務付けられていますが、私は毎年参加しています。
この講習会、例年であれば午後だけなのですが、今年は午前中から行なわれました。

まずは猪谷会長が講師となり『オリンピックの今昔』。
猪谷会長と言えば、ご存じのように日本人初の冬季オリンピックメダリストであり、元IOC副会長です。このような立場から、ご自身の履歴を含め、主にIOCの活動について興味深いお話をいただきました。
続いての講義は、『薬剤師によるアンチ・ドーピング活動』。
アンチ・ドーピングについては、猪谷会長が力を入れており、昨年の安対でもテーマとして取り上げられています。今年は東京都薬剤師会の鈴木幹男副会長が薬剤の専門家の立場から、意図的なドーピングではない「うっかりドーピング」の防止について、詳しい説明をしてくださいました。

市販の風邪薬等にもドーピング成分が含まれている製品が数多くあるそうです。また同じような名前の市販薬でも、含まれていたり、含まれていなかったり。私の立場は、アンチ・ドーピングに直接かかわることはありませんが、大変興味深いお話でした。
最近では国体でもドーピング検査が行われるとのこと。選手本人はもとより、監督やコーチ等選手を支えるすべての人がドーピングに対する正しい知識を持ち、常に留意しないといけないことが、よくわかりました。
ドーピングの防止については、東京都薬剤師会のドーピング防止対策ページをご参照ください。
またドーピング防止について相談できる薬局はt-薬局いんふぉから検索できます。
配布された資料「薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック」のPDFダウンロードはこちらから。
さて昼メシだ!と思ったら、ここで事務連絡。
今まで全日本が行っていたパトロール研修会が、都道府県連の主管で実施できるようになったそうです。
パトの研修会って、会場によっては月〜水なんて日程が設定されてて、「カタギの人間はどうやって参加するんだよ?」と疑問に思ってましたが、某都連の研修会は2/22-23と土日で、白馬五竜を会場に実施されるそうです。ま、私ゃパトは持ってないんで、関係ないんですけど....。
午後の講義は『医療現場から見たけがの現状と予防』。
講師は私の左膝の主治医、梅澤香貴先生です。
8年前の梅澤先生の講義(当時はまだ『安全対策担当者会議』って名称だったかな?)では、スキー傷害の話の中で次々と写真を出したら、気分が悪くなっちゃった受講者がいたりして....。今年は怪我の写真は少なめでした(^^

まずはスキーに伴う傷害や疾病について。定番のACL損傷の話だけじゃなく、親指やら、頭部やら、心臓やらと、多岐に亘りましたが、その防止方法を含めて大変分かりやすい説明でした。
そして後半では、「現場でのスポーツ医学の実践と誤解」と題し、FAQのような形式で、セルフコンディショニングについて解説をしていただきました。
最後はお決まりのAED実習。三角巾の実習と並行で、なんて話もありましたが、結局はAEDだけでした。

救命救急の要領については、毎年細かく変わっているようですが、基本は同じですね。そして大事なのは、イザというときには迷わず「やる」こと。そのためにも、こういう体験は貴重です。
うん、来年も参加しよう!