夜には台風並みの暴風雨になるという予報が出ていた土曜日、指導員仲間のご夫妻をピックアップし、菅平に向かいました。ICI石井スポーツさんの試乗会です。
関越道から上信越道に入っても、天気はイマイチ。空にはどんよりとした雲がかかっています。しかし八風山トンネルを抜けると、雲は残っているものの、かなり明るくなりました。
8時過ぎに現着すると、ファミリーゲレンデ前の駐車場には、すでにかなりの車が止まっています。スキーの馬さん、鹿さんにとって、天気は関係なさそうです(^^
雪が少ないため、裏太郎はアウト。試乗コースはファミリーだけです。
各社の貸出もファミリー下で行いますので、やや窮屈ですが、それなりの台数が並んでいました。

コースの状況は、下から見てリフト右側はやや締まった雪ですが、リフト左側はかなり柔らかい雪でした。時間が経つとともに、両コースとも雪が緩み、地肌が出る場所もありましたが、極端に荒れることはありませんでした。
BLiZZARD G-POWER FULL SUSPENSION IQ
L174/R17.0/124-75-108
一昨年の菅平の試乗会で、扱いやすくなったことに驚いたスキーの後継モデルです。
トップとテールがロッカーになりました。その効果か、大回りでのターンインはマイルドかつ容易です。スキーも大変良く走ります。
小回りでも操作に重さは感じません。しかし自分から回り込んでくれるスキーではありませんから、ある程度はスキーヤーが板を動かしてやる必要がありますが、操作性は悪くありません。
オールラウンドに使える板だとおもいますが、テールにやや強さを感じます。しかし一昨年の試乗で感じたような重厚さはありませんでした。
BLiZZARD S-POWER FULL SUSPENSION IQ
L167/R14.0/120-70-105

これも
一昨年の試乗では、操作性と安定性が印象的でした。
直前のG-POWERと比べると、かなり軽い乗り味ですが、エッジホールドは強めです。
これもトップ&テールロッカーですから、小回りではトップから雪を捉えて内に入ってくることはなく、オートマチック感はありません。しかし、板をたわませることを意識して操作すると、素直に反応してくれますので、操作はしやすいです。
大回りは少々きついかと思いましたが、特に問題はありませんでした。
しかしG-Power同様、テールに強さを感じます。スキーを動かそうとしたとき、テールがやや喰い気味なので、少々気を遣いました。
ATOMIC BLUESTER S-FW
L164/R13.6/123.5-76-103.5

同じBLUESTERでもDEMOラインとは違い、低速でも板をたわませやすいように、プレートをセンター4点でビス留めしているそうです。
それほどスピードを出して滑ったわけではありませんが、頼りなさを感じました。
エッジホールド、安定性ともに満足できません。よく言えばそこそこ。悪く言えばエッジが喰っているんだか、いないんだか。ソールが雪を捉えているんだか、いないんだか。よく分からないスキーという印象です。昔のSALOMONみたいと言ったら、言い過ぎでしょうか(^^;
中〜低速で、あまり積極的に板に働きかけないといいのかもしれませんが....、それじゃつまらないよねぇ。
ATOMIC BLUESTER S-TI
L165/R12.4/121-73-102

直前に試したS-FWはグラスモデルですが、こっちにはチタンが入っています。
おかげで中〜大回りではしっかり感が出ましたが、やはり安定感はイマイチです。
小回りでは、板の真上に乗るような滑り方では、あまり良い感覚は得られませんでした。内傾角を意識的に強めにとった方がいいと思います。
S-FWにしてもS-TIにしても、滑走のフィーリングが合う人、合わない人がはっきりしているのではないでしょうか。この2本を検討する方は、実際に試乗してみてから決めることをお勧めします。
SALOMON 24 HOURS MAX
L170/R14.7/120-72-103

同行の指導員仲間がSALOMONを物色しているのを横で眺めていると、突然
『こんにちは。大瀧です。』
と声をかけられました。
オフシーズンの
フィジカルトレーニングセミナーでお世話になっている大瀧徹也さんでした。
ASAMAで好印象だったX-RACE以外で、どれがいいか相談したところ勧められたのがこれ。
まず中〜大回りで滑ってみましたが、非常にいい感じです。エッジホールドがしっかりしていて、安定性も良く、スキーがたわんで回る感覚がよく分かります。エッジが雪を捉えていても、容易にスキーを動かすことができますので、操作性は大変良いと感じました。
とは言え、特に小回りでは無造作に角付けだけでスキーを操作しようとすると、反応にやや鈍さを感じます。両スキーのソールで雪面をしっかりと捉えて、スキーをたわませることが必要だと思います。
素直でいい板だとは思いますが、個性を感じられないところに不満を持つ方や、ずっと滑っていると飽きちゃう方が、いらっしゃるかもしれません。
Blossom Flere
L166/R13.5/116-66-101

STÖCKLIの隣に、見慣れない板が転がっていました。イタリアのハンドメイドだそうです。
「VISTはやめちゃったの?」
『いや、扱ってますけど....、値段が高すぎてみんな手を出してくれないんで(^^;;』
ちなみにトップシートのデザインは変わります。イタリア製にしちゃシンプルと言うか、色気が無いですからねぇ(^^)
まず大回りで滑ってみましたが、エッジホールドの強さを感じます。スキーが内に入り気味ですが、スキーを動かしにくいため、ターン弧がやや調整しにくいです。
小回りでは、スキーの抜けが良く、軽快なターンを刻むことができました。
オールラウンドに使うためには、もう1サイズ長い方が良さそうです。
KEI-SKI ARX15
L168/R15.0/115-70-105

エッジホールド、操作性、安定性のバランスが大変良いスキーです。
昨年試乗したKEI-SKIは、グサ雪の中ではテールにやや弱さを感じましたが、今回試乗したスキーは問題ありません、
切り替えた後の外脚の捉えが非常に分かりやすく、谷回りで安心感があります、オートマチックなスキーではありませんが、小さな動きにも素直に反応してくれるので、大変滑りやすいです。私にとっては、ここ数年のKEI-SKIのなかでは一番好印象でした。
デザインは、メーカーロゴの入った普通のやつもありますから、ご安心を(^^
FISCHER C-LINE EMPEROR
L170/R15.0/121-73-102

トーション、フレックスとも、やや硬めです。それでも操作性が良いのは、ロッカーの効果でしょうか。ちょい前のキャンバースキーだったら、真っ直ぐ走ってしまったかも(^^;;
板の抜けが良く、大回りから小回りまで、ターン弧を選ばず、キレの良いターンを刻めます。また、ターン中にスキーが動かしやすいため、コントロールがしやすいです。
しかし硬い板ですから、脚力の無い方や女性は、やや手強さを感じるかもしれません。
SALOMON Q-90
L177/R17.4/130-89-117

時刻は午後2時近く。斜面はかなり荒れています。
SALOMONの大瀧徹也さんに
「この状況でのオススメは?」
と聞くと、
『う〜ん、これだとねぇ....。もう、ファット行っちゃいますか!』
ということで、私、(たぶん)初ファットです(^^)
「どう滑りゃいいんですか?」
『いや、普通に(^^)』
確かに、意外に普通に滑ることができます(^^;
その場でスキーをひねろうとすると動かしにくいですが、前に滑らせながら操作すれば大丈夫です。
さすがに小回りは....、と思ったのですが、普通のリズムであれば全く問題ありません。クイックな切り替えにはなりませんが。
リフトに乗っていると、霧雨のような細かい雨が降り始めました。1本滑ってまたリフトに乗ると、雨粒がヘルメットに当たる音がするほど、大粒になってきました。風も強くなり始めましたので、これにて撤収です。

すでに斜面のあちこちに土が出ており、コースのど真ん中にポールを立てて、規制をしています。
こんな状況のため、スキー場の判断によりこの土曜日で今シーズンの営業は終了となりました。翌日曜日に予定されていた試乗会は中止です。
昨年は、雪はたっぷりあったものの、強風のため、私が参加する予定だった土曜日の試乗会が中止になっています。今年も一歩間違えれば昨年の二の舞でした。
あとは4月下旬に野沢温泉での試乗会に参加予定ですが、暖かさで急激に雪が減っています。大丈夫なんだろうか....。(ICIのスタッフは『大丈夫です!』って自信満々だったけど。)
不要不急の外出か?