試乗会二日目、4/30のレポートです。
朝から細かい雨が降り始め、午後からは雨の量も少しずつ増えました。
朝一から湿雪で、斜面の荒れは時間が経つにつれ大きくなっていきますが、春の暖かさで融けたグサ雪とは違い、雨で少しだけ締まっており、決して滑りにくくはありませんでした。
午前中はスカイライン連絡ペアリフト脇の短いコースで、午後はやまびこ第2フォーリフトでやまびこDおよびEコースを使用しての試乗です。
テスターは、本命が決まったため、イマイチ気合いが入っていません。
今日もL165〜170、R15前後のオールラウンド(1本で大〜小までOK)を目安に試乗しますが、小回り系も試してみました。
STOCKLI LASER SL
L165/FR12.9/120-66-102

1本目はSTOCKLIのSLモデル。本チャンレーサー用にはFISのネーミングが施されたモデルが用意されてますが、こいつなら元なんちゃってレーサーの中毒者でも何とかなるだろうと考えました。スタッフのおにーちゃんも、『基礎・小回り系で使えます。』とのこと。
ま、RがRですから、大回りは感激する程ではありません。可もなく不可もなく。が、中〜小回りはさすがに素晴らしいです。ターン後半にエッジングを緩めていき、フラット、そして次のターンで板が雪面を捉え始めるまでが非常にスムーズ。オガサカのAXで感じたような、エッジングを強めていくとカツンと捉える感覚ではなく、板の傾きに従い徐々に捉え、気付くとしっかりと捉えているという感じです。
雪の柔らかさからか、返りの強さ・速さはあまり感じませんでした。良い雪で滑れば、軽快なショートターンを刻むことができるでしょうか。
OGASAKA TRIUN SL
L165/R12.9/120-67-101

調子に乗って、もう一本、レーシングのSLモデルを試しました。
STOCKLI同様、中〜小回りは大変良い感覚が得られます。しかし、エッジング感はSTOCKLIとは違い、角付けを強める中でエッジが食った感覚が返ってきます。まあ、良く言えば、メリハリがあるということでしょうか。
ちなみにスキッディング操作もしてみましたが、特に問題はありませんでした。普通に操作できます(^^
たぶん柔らかい雪だから手に負えたのだと思います。硬い雪だったら....、ちと恐ろしいかも(^^;
ATOMIC D2 DEMO X TYPE-S
L165/R11.5/123-67-107.5

ガラにもなく、レーシングモデルを試したことを反省して、エキスパートモデルの試乗に戻ります。
こいつはプロフィールから判断すると、ショートターンスペシャルって感じでしょうか。TYPE-Aの感覚から、こっちも合わんだろうと思いつつ、物は試しと乗ってみました。
すると....。おぉ、思ったよりしなやか。当たり前ですが、小回りは大変やりやすいです。ショートターンモデルにありがちな、強烈なエッジホールドと強い返りは感じません。むしろマイルドにさえ思えるのですが、それでいて絶妙なエッジホールドと返りが、ショートターンが超ヘタクソな中毒者でも、楽に、いや楽しくコントロールできます。
ターン弧を変えて滑ってみると、大・中・小、いずれのターンでも、この印象は変わりません。また小回りはもちろん、中〜大回りでも安定性が良いのには驚きました。さすがにターン弧が大きくなると、若干切れ上がり気味になります。雪の状態が良ければなおさらかもしれませんが、エッジングコントロールで調整できるでしょう。そのエッジングの調整も「自在」という言葉がピッタリなほど、容易です。
スキッディング操作も、全く問題ありません。
探している板がショートターンモデルだったら、本命になった可能性があるスキーです。
ROSSIGNOL DEMO BETA CASCADE TPX
L174/R17.8/118-72-100

準指合格時の板が、ロシの9Dでした。その後はフィーリングが合わず、遠ざかっています。試乗するのも久しぶり。
まずは大回り。普通に滑りやすいです(^^ 滑り手が仕事をすれば、その分きっちりと応えてくれる感じですが、オートマチック感はありません。
小回りに難しさは感じませんが、軽快感はありません。ま、この板にこれを望むのは、無い物ねだりでしょう。
スキッディング操作では、ほんの少しですがテールが引っかかり気味なのが、気になりました。
ELAN SLX WAVEFLEX FUSION
L165/R12.9/116-66-104
ASAMAと
菅平で試したAMPHIBIOは、操作性・安定性とも素晴らしく、大変気に入りました。あと10歳年寄りだったら、ホイホイと買っちまうかもしれません。が、如何せん、刺激がありません。ということで、先程の反省はどこへやら。またまたレーシングモデルに手を出しました。ま、スタッフのおっちゃんも、基礎系でも大丈夫と言ってたし....。
まず小回りで滑りましたが、軽快なターンを刻むことができました。
中回りでは、内傾角を強めにとってやると、エッジが雪面をしっかり捉えて、きれいなターン弧を描きます。大回りになると、どうしてもスキーが内に入りたがりますが、これはやむを得ません。しなやかで操作性も良く、スキッディングもOKです。
穏やかな老後を送りたい方はAMPHIBIO、世間の波に揉まれたい方はSLXってとこでしょうか(^^
SALOMON 24HOURS POWERLINE S5
L170/R15.1/119-72-103

この頃になると、食指の動く板が少なくなってきました。
でも私はSALOMON嫌い。24HのLMに感心したからと言って、他の板を試乗するつもりはありませんでした。世間じゃ24HのS5が評判いいみたいだけどね。どうせ試乗スキーは出払ってるだろうしね。と、通りすがりのSALOMONブース前にS5が1台転がって、手招きをしてます。長さは170cm。しゃーない、遊んでやるか。
ラディウスは違いますが、S5もLM同様、何でもできるスキーです。大回りから小回りまで、大変素直で、操作しやすいと感じました。逆に言えば、問題はこの何でもできる素直さ。オールラウンド性があまりに高く、飛び抜けた特徴がありません。これを『楽』と感じるか、『つまらない』と感じるか。ここで評価が分かれる気がします。私は....、「楽だけど、つまらん。」
なお、試乗時には雪の状態が悪かったため、踏み込んだスキーが少し雪にもぐってしまい、その結果、若干の弱さを感じることもありました。しかし、雪の状態が良ければ、このようなことはないと思います。
ちなみに、このスキーでの私のショートターンを見た廃人。『中毒者らしからぬ小回り』と評しました。う〜ん(^^;
K2 CHARGER
L167/R14.0/112-74-106

K2のブースには、ファット、セミファットのスキーがずらりと並んでいます。冷やかしのつもりで、「オールラウンドモデルは無いの?」と聞いたところ、『あります。』との答え。「え....。あるの....。」聞いた手前、試さないわけにはいかなくなっちまいました(^^;
K2ではデモ系というカテゴリーは無いそうですが、こいつがそれに該当するとのこと。
恐る恐る滑ってみると、あれ、びっくり。大・中・小、何でもできるじゃん。キレの良いターンもできれば、スキッディングもできる。早い切り替えだってできる。コブだって問題なし。敢えて言えば、深回りの小回りが少し苦手かもしれません(板が苦手なんじゃなくて、テスターが苦手なのかもしれません)。それがちょっと惜しいかな。
このコスメで損をしていると考えるのは、私だけでしょうか?
STOCKLI LASER SX
L170/R15.6/120-70-99

今年からの継続モデルです。よって黒をベースとしたデザイン。迫力はありますが、個人的には来シーズンにモデルチェンジするSLやSCのデザインの方が、ありふれてはいても、美しくて好きです。
ASAMAでの説明では、SCよりもメタルが厚いため、若干張りは強いとのこと。実際に滑ってみると、しなやかさという面ではSCが上でしょうか。
しかし、大回り・中回り・小回り、そして悪雪や荒れた斜面、どのようなターン弧でも、どのような状況でも、大丈夫です。特に小回りでの板の抜けの良さが印象的でした。
しかし滑走感覚としては、特に大〜中回りで、SCの方が楽しく感じました。
OGASAKA KS-FX
L165/R13.0/114-65-102

雨がだんだん強くなる中での試乗です。テンションは完全に下がってます(^^;
やまびこDコースは斜度は大したことありませんが、かなり荒れています。そこを大〜中回りで滑ってみました。ショートターンモデルではありますが、安定していて、不安感は全く感じません。
小回りで滑ると、雪が柔らかすぎるため、この板が本来持っているであろう返りが感じられません。また、テールの弱さも出てしまいます。しかし、雪の状態が良ければ、これらは解消すると思います。なお悪雪であっても、スウィングウェイトが軽いため、操作自体に問題は全くありません。
BLiZZARD S-POWER FULL SUSPENSION
L167/R13.5/121-68-105

時刻は15時ちょい前。これが本日最後の試乗です。
菅平の荒れた斜面での好印象が、今回の悪雪ではどうなるのか確かめたくて、選びました。
大回り〜中回りでの安定性は相変わらず。もちろん操作性にも問題はありません。スキー自体に強さがあるからでしょうが、菅平のように荒れていてもその強さを受け止めるだけの硬さがある雪面なら良いのですが、今回の雪はあまりに柔らかすぎるようです。板の強さを吸収してしまい、このスキーが持つ軽快感がいまひとつ感じられませんでした。
まぁKS-FXも、このS-POWERもそうですが、雪の状態で板の性能が引き出されないのではなく、根本的には中毒者の技術的な問題で板の性能を引き出すことができないというのが、真実なんでしょうけど(^^;;
1日で充分だと思っていた試乗会ですが、結局2日間で15本のスキーをテストしました(^^
念のため(?)3日目の招待状も貰っておいたのですが、翌日、風神様に『もうやめとけ!』と叱られました(^^;

ICIおよびメーカーのスタッフの皆様、風雨の中、大変お疲れ様でした。
また、とかくストイックになりがちな試乗会ですが、一緒に滑ってくれた廃人、婆や、姫のおかげで、大変楽しく試乗できました。ありがとうございました!